娘の教育費を「投資」と呼びたくない。資産5000万の父が、教育費で迷っていること
資産5000万のサラリーマンが、8歳の娘の教育費について調べて考えたこと。習い事・中学受験・制度変更の全データと判断プロセス
教育費の入り口: 英語プログラミング2年間で34万円
娘の教育費について、ちゃんと向き合ったのは今回が初めてかもしれません。
娘が8歳になります。4月から小学3年生。この2年間、民間学童で英語プログラミングというカリキュラムを受けさせていました。月14,000円。ピアノが月12,000円なので、習い事だけで月26,000円。年間31万円。
で、3年生からはピアノだけにしました。英語プログラミングのカリキュラムが2年で終了するのがきっかけですが、正直なところ、効果が実感できなかったのも大きいです。
幼少期の英語教育って、たぶん多くの親が一度は悩むテーマです。自分も「早いほうがいい」と思ってやらせてみたけど、日本語もまだ怪しいのに英語を重ねても、どっちも中途半端になる感覚がありました。やっておいてこう言うのもなんですが、日本語がしっかりしてからのほうがよかったかもしれません。
月14,000円×24ヶ月で約34万円。中古のテレビが何台買えるかは計算しないことにしています。娘が楽しんでいた時期もあったので、完全な無駄とは思いません。思いたくない。

教育費、ちゃんと計算したことがなかった
食費17万の記事を書いたとき、「体感と実際の数字はズレる」ということを痛感しました。教育費も同じかもしれない。
文部科学省が2024年12月に公表した最新の「子供の学習費調査」(令和5年度)を見てみました。
| 学校種別 | 公立(年間) | 私立(年間) |
|---|---|---|
| 小学校 | 約33.6万円 | 約182.8万円 |
| 中学校 | 約54万円 | 約144万円 |
| 高校 | 約51万円 | 約106万円 |
公立小学校で年間33.6万円。月にすると約2.8万円。うちの習い事代2.6万円とほぼ同額です。つまり学校にかかる費用と同じくらいを、習い事にも使っていたことになります。
ここで驚いたのは、公立小学校の33.6万円のうち、学校教育費は約8.2万円しかないこと。残り25万円は学校外活動費――塾や習い事です。学校そのものより、学校の外にお金がかかっている。
大学までの総額を見て、ちょっと黙った
幼稚園から大学までの総額も調べました。
| 進路パターン | 総額 |
|---|---|
| 全て公立+国立大学 | 約820万円 |
| 高校まで公立+私立大学文系 | 約1,000万円 |
| 中学から私立+私立大学文系 | 約1,700万円 |
| 全て私立+私立大学理系 | 約2,250万円 |
中学から私立に入れると、一気に1,700万円コース。全部公立の倍以上。この数字をスプレッドシートに打ち込んだとき、胃のあたりがキュッとなりました。
個人的に中学から私立に入れたい気持ちがあります。自分が通っていた公立中学は、正直あまり環境が良くなかった。授業中に廊下を歩き回る生徒がいて、それを注意しない先生がいて。たしか中2のときだったと思うんですが、教室の窓ガラスが割れた日があって、翌日には何事もなかったように授業が始まった。あの3年間が自分の成長に役立ったかと聞かれると、答えに詰まります。
娘には純粋に学業と学園生活に集中できる場所を選んであげたい。それだけの話です。
面白いのは、妻は中学から私立に通っていたこと。「私立だったから良かったってわけでもないけどね」と言います。公立しか知らない自分のほうが、私立に幻想を持っている。隣の芝は青い、というやつかもしれません。
ただ、娘が中学受験をしたいかどうかは、今の時点ではわかりません。本人の意思を無視して親の希望を押し付けるつもりはないので、ここは保留です。
中学受験する場合のリアルな追加コスト
もし中学受験するなら、小4〜5あたりから塾に通うことになります。
中学受験塾の費用は、大手塾の公開情報を見ると3年間で200〜300万円が相場です。月にすると5〜8万円。年間60〜100万円。これが3年続く。しかもこれ、通常授業だけの話です。塾の説明会資料を見ると、夏期講習・冬期講習・模試代を入れて6年生の1年間だけで150万近くかかるケースもあるようです。
出せるかと聞かれれば、出せます。今の資産が5,000万あって、共働きで世帯収入もある。子どもは1人。数字の上では問題ない。
でもこれが子ども2人、3人だったら? 塾代だけで年間200万とか300万になる。現実的に厳しい。
うちは1人だからギリギリ選択肢があるだけです。子どもが多いほど時間は取られて、お金はかかるのに、仕事できる時間は減って、収入も減る。共働きせずに子ども2人を養える社会が理想だと思いますが、現実はそこから遠い。少子化の原因、この表だけで説明できます。

教育費を「別枠」で貯めていない理由
うちは教育費を専用口座や学資保険で積み立てていません。
教育費はNISAを含む資産全体から確保するスタイルです。食費17万の記事でも書きましたが、月の収支ではなく資産全体のポートフォリオで管理しています。「教育費用に月3万」みたいな袋分けはしていない。
学資保険も検討しました。2025年時点で一番返戻率が高いソニー生命で123.5%。悪くはない。でも18年間資金がロックされて、途中解約すれば元本割れするリスクがある。自分の投資信託のリターンが年利5〜7%で回っている状況で、わざわざ流動性を犠牲にする理由が見つかりませんでした。
新NISAで教育費を準備するシミュレーションもやってみました。
| 目標額 | 運用期間 | 年利3%での月額 |
|---|---|---|
| 300万円 | 10年 | 約2.2万円 |
| 500万円 | 10年 | 約3.6万円 |
| 500万円 | 15年 | 約2.3万円 |
娘が大学に入るまであと10年。年利3%で500万円を準備するなら月3.6万円。今の積立投資の一部がこれに相当すると考えれば、すでに「貯めている」とも言えます。名前をつけていないだけで。
2025〜2027年、制度が猛スピードで変わっている
教育費を調べていて一番驚いたのは、この2〜3年で制度が激変していることです。
2025年度から、子ども3人以上を扶養する世帯は所得制限なしで大学授業料が無償化されました。支援上限は国公立54万円、私立70万円。うちは子ども1人なので対象外ですが、3人以上いる家庭にはかなり大きい。
2026年4月からは高校授業料の無償化で所得制限が撤廃。私立高校の支給上限も39.6万円から45.7万円に引き上げられます。娘が高校に入る頃にはすでに適用されているはずです。
そして2027年1月、こども支援NISAが始まる予定です(2026年3月時点の政府発表ベース)。0歳から17歳が対象で、年間60万円、上限600万円。つみたて投資枠のみで、引き出しは12歳以上。
正直、こども支援NISAは気になっています。娘が9歳の時点で始められるなら、大学入学まで9年間。年60万円×9年で540万円の非課税枠が使える計算です。年利3%で回れば、540万が650万くらいになる。大学4年間の学費をほぼカバーできる金額です。これは真剣に検討する価値がある。
妻とは教育費の「金額」を話し合っていない
教育費について、妻と深刻な話し合いをしたことはありません。
金銭面ではお互いに心配していないからです。共働きで世帯収入があり、資産もある。「いくらまで出せる?」みたいな会話が必要な状態ではない。ありがたいことだと思います。
ただ、これが資産1,000万の時代だったら話は違っていたはずです。子ども1人を中学から私立に入れるだけで1,700万。資産の1.7倍。とてもじゃないけど「大丈夫だよ」とは言えない。
資産形成を続けてきて、教育の選択肢が増えた。それは実感としてあります。投資を始めたきっかけは仕事の挫折だったけど、結果的に娘の将来の選択肢を広げることにもつながっている。なんというか、お金の価値って自分のためだけじゃなくなる瞬間があるんだなと、ここまで書いて思いました。
教育費は「投資」ではない
ここまでデータを並べてきましたが、最後にずっと引っかかっていることを書きます。
教育費を「子どもへの投資」と表現する人がいます。リターンが期待できる支出だ、と。でも自分はその言い方がしっくりきません。
株式への投資は、リターンを期待してお金を出しています。計算できるし、判断基準もある。でも娘の教育にお金を使うのは、リターンを求めているからではない。
教育費って何なのか、正直よくわかりません。子どもからもらった喜びや経験に対する感謝の形なのか。親としての責任なのか。それとも単に「今、必要だから出す」というだけのことなのか。
答えは出ていません。たぶんこの先も出ない。ただ、ピアノの月12,000円は、娘が「今日はこの曲を弾けるようになった」と報告してくれる顔を見るために払っています。あの顔を見る瞬間に、12,000円の意味とか考えない。それだけは確かです。
教育費についての正直な気持ちは、Noteに別の角度で書いています。

この記事は個人の家計体験に基づく情報提供であり、特定の教育方針や投資方法を推奨するものではありません。