三菱UFJに950万放置で年8万損してた。利上げ後にやったこと
三菱UFJの通帳に利息1万円。日銀利上げで預金・住宅ローン・投資信託はどう変わる?950万円預けっぱなしの40代が数字で検証。
三菱UFJ銀行のアプリを開いたら、利息の欄に見慣れない数字が並んでいました。
1万円弱。
最初、何かの間違いかと思いました。普通預金の利息で1万円なんて、自分の人生で見た記憶がありません。ゼロ金利時代は100円とか200円とか、そういう世界だったので。妻に「利息すごかったよ」と報告したら、「おおー、すげー」と返ってきました。含み益2000万と言っても「ふーん」なのに、利息1万円には「すげー」。確定した現金って、やっぱりわかりやすいんですかね。
950万円の普通預金に対して、年利0.30%。計算すると半年で約1.4万円。つじつまが合います。でもこの「つじつまが合う」こと自体が、2年前の自分には信じられなかったはずです。

300倍。ただし、まだATM手数料に負ける
メガバンクの普通預金金利は、2024年3月のマイナス金利解除前まで0.001%でした。1000万円預けても年間100円。ATMを他行で1回使ったら手数料で吹っ飛ぶ、そんな時代です。
それが2026年2月、0.30%に。300倍です。
数字だけ聞くと革命みたいですが、冷静に計算するとメガバンクの普通預金に1000万円預けて年間3万円(税引前)。月にするとコンビニATM手数料を3回払ったら利益が消える程度です。
ネット銀行なら話は変わります。あおぞら銀行の普通預金は0.75%(100万円まで)で、定期預金だとSBJ銀行が1.35%、大和ネクスト銀行が1.20%。個人向け国債の変動10年は1.48%まで来ています。1000万円を定期預金に預けたら年間12〜13万円。ゼロ金利時代は1000万円で年間100円だったので、もはや別の金融商品です。
正直、自分もメガバンクに950万円を置きっぱなしにしていて、ネット銀行に移せばもっと増えるのはわかっています。でも口座移動が面倒くさい。給料の振込先も三菱UFJだし。この「面倒くさい」がいちばん手強い敵だったりします。
変動金利、ついに上がった
預金金利が上がるのは嬉しいニュースですが、コインの裏側があります。住宅ローンです。
うちは変動金利で組んでいて、月々の返済は8万円くらいでした。「変動金利って、ずっと上がらないまま逃げ切れるんじゃないか」と、どこかで夢を見ていた部分があります。
現実はそうもいかず。
去年の春頃、返済額が数千円上がっていることに気づきました。あー、やっぱり上がるんだ、と。ずっと上がらないことを夢見ていたけど、現実はそうはいかないか、と。変動金利で組んだ人はみんな同じことを思っていたんじゃないかと思います。
日銀の利上げから住宅ローンの返済額に反映されるまでにはタイムラグがあります。通常、4月と10月に基準金利が見直されて、そこからさらに数ヶ月後に返済額が変わる。だから去年の春に感じた変化は、2024年7月の利上げ(0.25%)分がじわじわ効いてきた結果です。

数千円って、たいしたことないように聞こえるかもしれません。でもこれ、まだ序章です。
2025年12月に政策金利は0.75%まで上がっていて、2026年内に1%を超える見通し。野村證券の予想では2027年に1.5%到達のシナリオもあります。金利が1%上がると、3000万円の借入で月々約1.4万円、年間約17万円の負担増。5000万円なら月2.3万円、年間28万円。
変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」があるので、返済額が翌月からいきなり倍になることはありません。ただ、返済額の中身(元金と利息の割合)は変わっていて、金利が上がると利息の比率が増えて元金が減りにくくなります。見た目は変わらないけど、中身が変わっている。ちょっと怖い仕組みです。
繰上返済すべきか。頭と心が違うことを言う
「金利上がるなら、繰上返済したほうがいいんじゃないか」
何度か考えました。でも、結論としては繰上返済は極力しないつもりです。
理由は単純で、住宅ローン金利が1%前後なのに対して、オルカンやS&P500の期待リターンは年5〜7%。数字だけ見れば、繰上返済に回すよりも投資を続けたほうが合理的です。住宅ローン控除を使っている間は実質金利がさらに下がるので、なおさら。iDeCoも同じ話で、出口の退職所得控除まで考えると、税制優遇を使い切るほうが繰上返済より優先度が高いと思っています。
頭ではわかっています。
でも、気持ちとしてはスッキリしたい。住宅ローンの残高を見るたびに「この借金がなければ」と思う瞬間がゼロではないです。借金って、理屈はどうあれ気持ちが良いものではないので。たぶん、繰上返済をするかしないかは、最終的には数学ではなく性格の問題です。
自分の中の目安としては、金利が3%を超えてきたら一括返済を具体的に考えます。それは純粋に気持ちの問題で、投資のリターンとの比較ではなく「もういいや、返しちまおう」という感覚的なラインです。
ただ、住宅ローンって世の中で一番低い金利で借りられる貴重なローンなんです。個人が金融機関から1%以下で何千万も引っ張れる機会は他にない。だから大事に利用したいという気持ちもある。賃貸か購入かという議論がよくありますが、住宅ローンの低金利を「レバレッジ」と見れば、投資的な観点では購入に分があると個人的には思っています。
金利のある世界は、日本人に向いている
ここまで書いてきて、ふと思ったことがあります。
金利のある世界って、日本人にめちゃくちゃ向いているんじゃないかと。
日本人は基本的に現金が好きです。投資する人より、しない人のほうが圧倒的に多い。預金口座にお金を置いておくことに安心感を覚える国民性です。
バブル期の定期預金金利は6%でした。72の法則で計算すると12年で元本が倍。つまり国民全員がオルカンに積立投資しているようなリターンを、預金だけで得られていた時代です。
逆に言うと、ゼロ金利の30年間は預金派の日本人にとって最悪の環境だった。お金を預けても増えない、物価は微増する、でも投資は怖い。その状況で「さあ投資しましょう」と言われても、そりゃ動けない人が多いのは当然です。もしバブル期の金利がずっと続いていたら、今の日本の個人資産はどうなっていたんだろう。ちょっと興味があります。
妻の「おおー、すげー」が象徴的ですが、含み益って数字が動くだけで手元に来ないから実感がわかない。でも利息は確定した現金として口座に入ってくる。この「目に見える」感覚は、投資をしない人にとっても金利のある世界のいちばんわかりやすい恩恵だと思います。

今の0.75%はバブル期の6%には遠く及ばないし、アメリカの政策金利(3.5〜3.75%)と比べたらまだ全然低い。でも「預金に利息がつく」という当たり前のことが戻ってきたのは、預金派の人たちにとっては良いニュースだと思います。
で、自分は何を変えるのか
正直に言うと、当面は何も変えないつもりです。
月37万円の積立投資はそのまま。オルカン、FANG+、NASDAQ100、iDeCo。月37万の積立が本当に大丈夫なのかはこちらで検証しましたが、今のところ家計は回っています。変動金利の住宅ローンもそのまま。ネット銀行への口座移動も、たぶんしばらくやらない(面倒くさいので)。
金利が上がったとはいえ、一般の家庭でいきなり何かが変わるほどのインパクトはまだないと感じています。ただ、月々の支出は少し意識するようになりました。贅沢を少しだけ控えめにする、くらいのメンタルです。2%台に乗ったら、もう少し真剣に考えるかもしれません。
奥さんに通帳の利息を見せたときの「おおー、すげー」が、たぶん今のいちばん正直な感想です。含み益2000万はよくわからないけど、利息1万円は実感できる。投資をしない大多数の日本人にとっても、同じ感覚じゃないかと思います。
金利のある世界って、投資をしない人にとっても現金の価値を守るための新しいマインドセットになり得ると思っています。0.001%の世界では「預金してても無駄」だったのが、0.30%でも「ちょっとは増える」に変わった。ネット銀行に移せば1%超え。投資しなくても、銀行選びだけで年間10万円以上変わる時代です。
ただ一方で、政府はNISAで投資を推進しているわけで。金利を上げて預金者をサポートしたいのか、NISAで投資させたいのか、正直、方針がよくわかりません。まあ両方やるんでしょうけど。投資する人もしない人も、金利が上がること自体は悪くない。問題はそのスピードと、住宅ローンへの影響をどう折り合いつけるか、くらいでしょうか。
金利のリアルな体感と、投資の判断基準を数字で比較した記事は、Noteにまとめています。繰上返済のシミュレーションや、預金先別の利息比較もそちらに書きました。
自分みたいなゼロ金利しか知らない世代が、金利のある世界に初めて立ち会っている。その一人目の感想として、この記事を残しておきます。
※この記事は個人の体験に基づく情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。