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税金・制度 · 7分で読める

「こどもNISA?うちには関係ない」から5分で気が変わった話

「こどもNISA?うちには関係ない」から5分で気が変わった話

こどもNISA。2027年1月から始まる、子ども向けの非課税投資制度。金融庁の公式ページにも概要が掲載されている。

ニュースで見た時の正直な感想は「へぇ」でした。名前は知ってた。でも最初に頭に浮かんだのは、「それ、やれる家庭ってどのくらいあるの?」という疑問だった。

年間60万円、子ども1人あたり。子ども名義の口座を作って、親が代わりに運用する仕組みらしい。うちは娘が1人。共働きの家計でやりくりしている夫婦2人分の新NISA枠すら埋めきれてないのに、さらに年60万追加? 無理でしょ、と思いました。

そもそも新NISAの枠、使い切れてますか

ここで冷静に数字を見てみる。

新NISAは1人あたり年間360万円、生涯で1,800万円まで非課税で投資できる。夫婦だと年720万、生涯3,600万円。こどもNISAは年60万円、生涯600万円が上限で、つみたて投資枠のみ。

3,600万。とんでもない数字です。

夫婦のNISA枠を埋めきれてる人なんて、周りで聞いたことがない。弁護士をやってる友人がいて、たぶん自分の知り合いの中では一番稼いでる人なんだけど、その人ですら自分の枠だけでいっぱいだと思う。

僕自身、考えることをやめてインデックス投資に切り替えて8年間続けて資産5,000万に到達しました。それでも夫婦の生涯枠3,600万を満額使い切る見通しは正直ない。特定口座に入ってる投資信託をNISAに移し替えれば理論上いけなくもないけど、今はそこまで手が回ってない。

つまり、こどもNISAは「自分のNISA枠を使い切ってから初めて意味が出てくる制度」なんじゃないかと思いました。ほとんどの家庭にとっては、まだそこじゃない。

貯金箱と電卓

分けても、合計は同じだった

とはいえ気になったので、ちゃんと計算してみた。

パターンA: 月10万円を全額、自分のNISAに追加する。すでに元本1,000万があるところに上乗せ。

パターンB: 月5万を自分のNISAに追加(元本1,000万)、残り月5万をこどもNISAに入れる(元本ゼロからスタート)。

同じ銘柄、年利5%、18年間。どちらが得なのか。

結果。どちらも合計約5,900万円。まったく同じでした。

考えてみれば当たり前で、5% x 5万 + 5% x 5万 = 5% x 10万。複利はどの口座に入れようが同じように働く。こどもNISAに分散させたからって、トータルのリターンが魔法のように増えたりしない。

じゃあ何が違うのか。税金だけだ。

親のNISA枠がいつか埋まって、特定口座で運用することになったら利益に20.315%の税金がかかる。こどもNISAに分けておけばその分は非課税のまま。つまりこどもNISAの本質は「非課税枠の拡張」であって、リターンを増やす制度じゃない。

答えはシンプル。のはずだった

ここまでの話をまとめると、答えは明快だ。

自分の新NISA枠を埋められる人、あるいは近い将来に埋められる予定の人だけが、こどもNISAを考えればいい。それ以外は余計なことを考えず、自分のNISA枠でインデックス積立を続けるのが最適解。口座を増やしても管理が面倒になるだけ。

シンプルが一番。そう結論づけました。

…のに、ここで話は終わらなかった。

ノートとペンで計算する手元

お年玉で始めればいいじゃん

こどもNISAについてあれこれ考えていた時に、ふと気づいたことがあります。

子どもの金融教育。

完全に盲点でした。自分の資産を増やすために使うんじゃなくて、子どもが投資を学ぶきっかけとして使う。この発想の転換で、制度の見え方がガラッと変わった。

うちの娘は8歳。生まれた時からもらってきたお年玉やお祝い金がそのまま手つかずで残っていて、合計30万円くらいあります。正直、このお金の存在をあまり考えたことがなかった。銀行口座に入れっぱなし。金利はほぼゼロ。ただ眠ってるだけ。

こどもNISAが始まったら、このお年玉をインデックスファンドに入れられる。しかも娘と一緒に相談しながら。

「今年のお年玉、全部使う? それとも一部、投資してみる?」

「投資ってなに?」

「お金にお金を稼いでもらうこと。パパがずっとやってるやつだよ」

こういう会話ができるだけで、こどもNISAには十分な価値があると思います。月5万の投資資金を捻出する必要なんてない。

お年玉投資、シミュレーションしてみた

具体的なプランを考えた。

こどもNISAは0歳〜17歳が対象。娘は2027年のスタート時点で9歳だから、17歳まで約9年間使える。うちのプランはこうです。

初年度: これまで貯めてきたお年玉・お祝い金の30万円を一括投入。2年目以降は毎年のお年玉から2万円ずつ追加。

年利5%で試算すると、9年後には約70万円になる。元手は30万 + 2万 × 8年 = 46万円だから、非課税で約24万円のプラス。

金額としては正直、大したことない。月5万ずつ入れてる人から見たら鼻で笑われるかもしれません。

でも大事なのはそこじゃない。8歳で始めた投資が、18歳で受け取るときにどうなっているか。それをリアルに体験できることに意味がある。教科書で「複利」を学ぶより、自分のお年玉が実際に増えたり減ったりするのを見るほうが100倍わかりやすい。積立投資は最初の3年が一番つまらないと身をもって知っているからこそ、早く始める意味があると思っています。

暴落して「えー、減ってる!」って言う日も来るだろう。それも含めて、お金の勉強です。

親子で一緒に学ぶ

子どもが貧乏になれば、孫も貧乏になる

少し大きい話をする。

僕は裕福な家庭で育ったわけじゃない。でも親は浪人も含めて大学の学費を全部出してくれました。おかげで借金ゼロで社会人になれた。あの選択がなかったら、社会人になってすぐ返済に追われて、投資を始める余裕なんてなかったと思います。

だから自分も、娘には同じことをしてあげたい。学費は全額出す。奨学金で借金を背負わせない。結婚費用も工面する。将来、自分に介護が必要になっても、絶対に娘に金銭的な負担はかけたくない。

なぜそこまで思うのか。子どもが親のためにお金を減らせば、その子どもの人生にも影響が出る。貧乏の連鎖は、誰かが意識的に断ち切らないと延々と続くからです。

正直に言うと、不安はあります。自分の親の介護費用が将来かかってきたら、資産が目減りする可能性はある。そうなったら、今度は自分の介護費用を娘に出してもらう未来だってゼロじゃない。自分がやりたくないと思ってることを、結局繰り返してしまうかもしれない。

だからこそ今、資産を積み上げている。こどもNISAで子どもの資産を増やすことより、まず自分のNISAで自分の基盤を固めるほうが先だと思ってるのは、そういう理由もある。

お年玉で、こどもNISA始めます

こどもNISAは「資産を増やすための制度」として見ると、ほとんどの家庭にとって優先度は低い。自分のNISA枠がまだ余ってるなら、そっちが先。計算上もリターンは変わらない。増えるのは非課税枠だけです。

でも「子どもの金融教育」として見ると、話がまるで変わってくる。

月5万なんて入れなくていい。お年玉の一部で十分。子どもと一緒に「どの投資信託にする?」「今月は増えた? 減った?」って話をするだけで、学校のどんな授業よりリアルな学びになる。

僕は決めました。娘のお年玉とお祝い金で、こどもNISAを始めます。

娘はたぶん興味を持つと思う。自分に似て、お金が好きそうだから。

※この記事は個人の体験に基づく情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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