NISA積立で月37万投資して毎月赤字。それでもNISA貧乏ではないと判断した理由
NISA積立の月額37万円、投資比率62%で毎月21万の赤字。NISA貧乏と言われても仕方ない数字だが、自分は該当しないと判断した根拠を解説。月37万投資でも破綻しない家計設計と、積立月額の決め方を共働き世帯の実例で紹介します。
手取り60万のうち、毎月37万を投資に回している。
投資比率にして62%。毎月21万の意図的な赤字。「NISA貧乏じゃないか」と言われたら、即座に否定できる自信が正直なかった。だからちゃんと考えることにしました。
「NISA貧乏」という言葉が気になり始めた
新NISA口座数が2,696万口座に達した(2025年6月、金融庁)というニュースを見たとき、この数字を見て正直に感じたことはNoteに書いています。年間買付額は17.4兆円で、2023年比で3.3倍。確かに、周囲の空気が変わったと感じます。
それと同時に、「NISA貧乏」という言葉もよく見かけるようになりました。投資に回しすぎて生活が苦しくなっている人たちの話です。手取り43万の夫婦が口座残高20万になってしまったケース。年収1400万の夫婦がリボ払い残高300万を抱えているケース。そういった話がダイヤモンドの記事に出ていて、他人事には思えませんでした。
我が家の投資額は月37万。比率62%。これ、どう見てもヤバい数字なんですが、本当にNISA貧乏なのか?自分なりに整理してみました。

3万から始まって、いつの間にか37万になった
今でこそ月37万ですが、最初からこの金額ではありません。
たしか最初は月3万円だったと思います。投資信託を試しに積み立て始めて、数ヶ月続けてみて「いけるな」と感じた。それで15万に上げることにしました。どのファンドを選ぶかの話も含めて、徐々に自分の投資スタイルが固まっていきました。
ただ、3万から15万に上げるときは、それなりに怖かったです。クレカの引き落とし日の前日、口座残高を確認しながら「本当に大丈夫か」と何度も計算し直した。15万という数字が引き落とされるのを最初に確認したとき、胃のあたりがキュッとなる感覚があった。理屈では「いける」と分かっていても、実際に大きな金額が動くと体が正直に反応します。それでも翌月も翌々月も生活が回っていくうちに、少しずつ体が慣れていきました。
新NISAが始まって、妻の口座も追加したタイミングで一気に37万まで増えました。3万→15万→37万。段階的に増やしてきたので「突然大金を突っ込んだ」感覚はないのですが、数字で見ると相当な増加幅です。
この経緯は、共働き家計の詳細記事でも触れていますが、増額の判断をしたときに毎回「生活が回るか」を確認していました。NISA貧乏にならないための唯一の工夫がそこだったかもしれません。
毎月21万の赤字を「計画的」と言えるか
手取り60万に対して支出と投資の合計が81万なので、毎月21万の赤字。つまり現金を取り崩して投資しています。
今の現金残高はざっくり900万円。この水準から500万まで下がる計算をしてみると、19ヶ月の猶予があります。現金を計画的に減らしながら、その間に投資残高を増やす。5年スパンで描いている設計図の一部です。
19ヶ月という数字が出たとき、なんか急に肩の力が抜けた感じがしました。漠然と「赤字が続いて大丈夫か」と思っていたのが、具体的な数字に変わった瞬間に、不安がかなり消えた。明日の生活費に困るわけではない。現金が底を突く日付が見えている。それならパニックになる理由がない。
500万ラインを割ったらどうするか、一応シナリオを描いています。月37万を25万に下げるのが最初のステップ。それでもまだ赤字が続くようなら、妻の積立額を減らすか、自分の分を15万程度に戻す。収入増のタイミングがあればその時点で再度引き上げる、というイメージです。完璧な計画とは言えませんが、「底を打つまで何も考えない」よりは、ずっとまともだと思っています。
また、現在の含み益は2000万円ほどあります。暴落があっても積み立てを止めるつもりはありません。重要なのは時間分散と、毎月給料が入り続けているという事実です。給料がある限り、下落は追加の買い場にしかならない。7年積み立てて体に染み込んだ感覚です。含み益2000万があるという安心感が、さらなる投資を可能にしている側面もあります。NISAだけでなくiDeCoも7年続けていますが、出口戦略を全く考えていなかったことに最近気づいて、積立額だけでなく「出し方」も大事だと痛感しました。
「投資比率」より「生活費ベース」で考える
一般的に推奨される投資比率は手取りの10〜20%と言われています。これを真に受けると、我が家は完全にアウトです。
でも、この基準に意味はあるのか。
たとえば手取り20万の独身と、手取り60万の共働きが「同じ比率でいいはずがない」と思います。生活費の絶対額が違う。安全バッファの厚みが違う。比率という抽象概念より、「今月の生活費を払えるか」「現金が1年分あるか」という具体的な問いのほうが実態に即しています。
専門家が推奨する生活防衛資金は、会社員で3〜6ヶ月分、ファミリーで6ヶ月〜1年分。うちは娘もいるので1年分を基準にしています。今はその基準をギリギリ超えています。これが下回るようなら、投資額を下げるつもりです。
比率ではなく生活費ベースで考える、という整理にしてはいるのですが、正直「この基準で本当にいいのか」という問いが完全には消えていない。
食費20万を削らない理由
節約の話をすると、携帯代はすでに格安SIMに切り替えています。お金のかかる趣味もない。ただ、食費と人付き合いのコストだけは意図的に削っていません。
食費は月20万前後。外食も含めてこの水準を維持しています。なぜかというと、食事は家族との時間に直結するからです。娘との外食、妻との食卓、そこにお金をかけることは切り詰める対象ではない。健康にも直結します。ここを削ってまで投資額を増やすことには、まったく興味がない。
人付き合いも同じです。「お金が原因で断る」という状況だけは作りたくない。飲み会に誘われて「今月は厳しい」と言いたくない、というより、そういう選択肢を自分の中に持ちたくない。投資に回しすぎて人間関係を損なう本末転倒は、数字で見えにくい損失だと思います。
逆に言えば、欲しいものは衝動買いしません。いつか欲しいと思ったものは、誕生日や年末年始、ボーナスのタイミングまで保留します。そうしないと何でも買ってしまうので、「イベントに寄せる」というルールを自分に課しています。結果として、年間の消費額はそれほど変わらないのに、無駄な出費が減った実感があります。

SMBC調査が出した少し怖いデータ
新NISAの普及に伴い、SMBC調査(2025年)でこんな数字が出ています。
20代の月投資額は2.3万円から3.0万円に増加(+26%)。一方でお小遣いは3.7万円から3.2万円に減少(-13%)。投資のために消費を削っている実態が見えます。
これを見たとき、最初は「若い世代が積極的に投資している、良いことじゃないか」と思いました。ただ、お小遣いが13%減っているという事実がひっかかる。生活コストを切り詰めながら投資しているなら、それは本当に持続できるのか。20代で3万円の積立は立派ですが、飲み会も旅行も我慢して続けられるものなのか、という疑問が残ります。
NISA利用者の年収300万未満が39.7%というのも驚きました。低収入層が積極的に投資しているのは、みずほリサーチの唐鎌氏が指摘する「インフレ税への防衛行動」という見方があります。現金で持っていても目減りする時代に、投資に向かうのは合理的な選択です。実際、日銀の利上げで金利環境が変わりつつあるとはいえ、インフレに追いつくレベルではない。
ただ、防衛のために攻めすぎて生活が破綻する本末転倒は避けたい。この絶妙なラインをどう引くかが、全員が抱える問題だと思います。同僚から投資の相談を受けることもありますが、そのときに必ず確認するのは「いつまでその投資金額を続けるつもりか」という点です。長期プランが描けているか、それだけで状況の見え方がかなり変わります。
では、うちはNISA貧乏なのか
整理すると、こうなります。
毎月21万の赤字は意図的で、現金残高の推移を計算した上での行動です。500万ラインを下回れば投資額を下げるシナリオを持っています。含み益2000万がバッファとして存在し、暴落があっても対応できます。生活費1年分の現金は確保しています。
これをNISA貧乏と呼ぶかどうかは、定義次第です。
個人的な定義は「計画性があるかどうか」が分水嶺だと思っています。いつ底を突くか分からない状態で投資している、生活費が足りなくなっても投資額を下げられない、そういう状況が「貧乏」だと思います。
うちは今のところ、計画の範囲内です。19ヶ月後に何を思っているかは、その時点で書こうと思います。
来月も37万を積み立てる
毎月37万を投資に回す生活は、傍から見たら「異常」かもしれません。
家族から反応が薄いのが唯一の救いです。妻は自分の口座の運用を自分でやっていて、互いに投資の話を強制しない。娘は父親がなにをしているか知らない(投資の話をしても「ふーん」で終わる8歳です)。それでもまあ、家計は回っています。
自虐的に言えば、「投資比率62%のセキュリティ営業マン」という肩書きは、絶対に名刺に入れられない情報です。
来月も37万を積み立てます。現金が500万ラインを割るまで、この額を変えるつもりはありません。

投資額の考え方については、我が家の家計全体像の記事も参考になるかもしれません。どのファンドを積み立てているかはファンド選びの記事にまとめています。
※ この記事は筆者の個人的な体験・考え方をまとめたもので、投資助言ではありません。投資の判断はご自身の責任で行ってください。