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投資実践 · 8分で読める

S&P500が急落して含み益200万減。それでも売らなかった理由

S&P500が急落して含み益200万減。それでも売らなかった理由

S&P500の含み益が、ピークから200万くらい減っている。

たぶんもっと減る。正直、気持ちはスッキリしない。でも、積立の設定は1円も変えていないし、変えるつもりもない。2026年3月、我慢比べの開始です。

S&P500に何が起きているのか

2月28日、米国とイスラエルがイランへの大規模攻撃を開始しました。作戦名は「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」。映画みたいな名前だけど、中身はまったく映画じゃない。

S&P500は年初来の利益を全て消失。3月3日時点で6816ポイント。ゴールドマン・サックスは「短期的には苦痛を伴う道筋」と警鐘を鳴らしています。原油はWTIで一時90ドル超え。ホルムズ海峡の封鎖リスクまで出てきて、最悪のシナリオでは140ドルという試算も。

イランは報復攻撃をエスカレートさせると表明。収束の兆しはゼロ。

朝起きてニュースを開くたびに、「また悪いニュースか」と思う日が続いています。

前回の暴落とは、質が違う

去年のトランプ関税ショックでは700万減りました。あれはキツかった。でも振り返ると、関税は「一発ドカン」だったんです。発表があって、市場がパニックになって、しばらくして落ち着く。終わりが見える種類のショックだった。

今回は戦争。

いつ始まったかはわかる。2月28日です。でもいつ終わるかは誰にもわからない。明日停戦するかもしれないし、1年続くかもしれない。下手したら10年。この「出口が見えない感じ」が精神的にはかなり嫌です。

関税のときは「耐えれば戻る」と思えた。今回は「耐えるけど、いつまで?」という問いに答えがない。しかも関税と違って、戦争は人が死んでいる。相場の心配をしている自分がちょっと嫌になる瞬間もあります。ただ、自分の家族の生活を守るのも現実なので、そこは割り切って考えるしかない。

それでも設定を変えない理由

これは自分のスタンスなんですが、積立の設定は一切変えていません。

理由はシンプルで、戦争が突然始まったのと同じように、予測は絶対に無理だから。

今になって「イランとの緊張が高まっていた」と解説する人はたくさんいます。そりゃ後から見れば予兆はあったでしょう。でも2月27日の時点で「明日、米国がイランを攻撃する」と予測できた個人投資家がどれだけいるか。

たぶんほぼゼロです。

終わりも同じ。明日終わるかもしれないのに、今日積立を止めたら、回復の初動を取り逃がす。数年続くかもしれないのに、今日買い増ししたら、さらに下がって心が折れる。

どっちに転ぶかわからないなら、何もしないのが正解――少なくとも自分にとっては。月々の積立を淡々と続ける。それだけです。

8年間この方針で、コロナショックも関税ショックも乗り越えてきました。途中で設定を変えたことは一度もない。正直に言うと、変えなかったのは信念が強いからじゃなくて、何をどう変えればいいかわからなかっただけかもしれません。でも結果的に、それが一番良かった。

過去の戦争で市場はどうなったのか

不安なので、一応データは調べました。

過去の地政学的危機におけるS&P500の動き(出典: S&P Global Market Intelligence / Ned Davis Research)。

イベント下落率底打ちまで回復まで
湾岸戦争(1990年)約-20%約2ヶ月約6ヶ月
イラク戦争(2003年)開戦で反転上昇--
コロナショック(2020年)-33.9%約1ヶ月約5ヶ月
トランプ関税(2025年)約-15%約3週間約2ヶ月

地政学的危機全体の平均では、大底まで約21日、元の水準に戻るまで約45日というデータがあります。

この表を見たとき、最初に目が行ったのはイラク戦争の「開戦で反転上昇」です。戦争が始まったら下がるんじゃなくて、上がることもあるのか、と。不確実性が解消されること自体が市場にとってはプラスになるケースがある。ちょっと意外でした。

ただ。

嵐の前の静けさ

今回は「米国が直接イランを攻撃している」という点で、湾岸戦争以来の規模感です。しかも原油高→インフレ再燃→利下げ後退というコンボが来る可能性がある。過去のデータがそのまま当てはまるかは正直わからない。

わからないけど、調べないよりマシ。自分はこのデータを見て「最悪でも半年〜1年で戻るだろう」という楽観的なシナリオを持ちつつ、「2年かかっても別にいい」と覚悟しています。

含み益2000万というクッション

正直に言うと、今それなりに冷静でいられる理由の半分は「含み益がまだ2000万ある」ことです。

200万減っても、含み益はまだ1800万。全部溶けるには相当な暴落が必要。含み損にさえならなければ、まあいいか、と思えてしまう。気休めだってわかってますけど。

コロナショックのときは状況がまるで違いました。2020年、積立を始めてまだ2年くらい。含み益なんてほぼゼロ。あの-33.9%をもろに食らって、口座を開くたびに赤い数字が並んでいた。あの頃のほうが、心臓に悪かったのは間違いない。

市場データを眺める

あの頃と比べると、今は精神的にだいぶ楽です。含み益が減る恐怖はあるけど、含み損に転落する恐怖とはレベルが違う。「マイナスになっていない」という事実だけで、人間ってかなり落ち着けるものなんだなと思います。

8年積み立ててきた経験値が、クッションになっている。お金のクッションと、精神のクッション。両方。

もう一つの安心材料:共働き

含み益の話とセットで書いておきたいのが、共働きの安心感です。

うちは夫婦で手取り60万。毎月37万を投資に回しています。たとえ相場が数年低迷しても、毎月の収入は止まらない。安く買い続けられるという意味では、むしろ下落局面はチャンスとも言える。

これがもしFIREしていたら、話は全然違う。生活費を投資元本から取り崩すタイミングで暴落が来たら、精神的にもかなりキツいはず。取り崩しながら資産が減っていく恐怖は、積み立てながら含み益が減る恐怖の比じゃないでしょう。

共働きで毎月キャッシュフローがあること。これが「何もしない」を支えている大きな柱です。

「耐える時期」の過ごし方

じゃあ日常で何か変えているかというと、投資は何も変えていません。

ニュースはむしろよく見ます。イランの情勢、原油価格、S&P500の動き。全部チェックしています。情報を遮断して不安を減らすタイプではなく、情報を入れた上で「で、自分はどうする? 何もしない」と確認するタイプ。

朝4時の証券口座チェックも頻度は変わっていません。増えてたら眺める、減ってたら閉じる。ただ、以前と違うのは、深くは考えないようにしていること。数字を見る。閉じる。はい、おしまい。以前はマイナスの日に「なぜ下がったのか」を調べに行っていたけど、今はそれをやめました。調べたところで自分の行動は変わらないので。

唯一変えているのは、消費です。

普段からそんなに贅沢はしていないけど、相場が悪いときは気持ち的に財布の紐を締めます。欲しいものがあっても「相場が良くなってからでいいか」と思う。投資は動かさないけど、消費で気持ちを調整している感じ。合理的じゃないかもしれないけど、自分なりのバランスの取り方です。

ちなみに、奥さんにはこの状況を話していません。うちで奥さんがお金の話をするのは、欲しいものがあるときだけなので。(この数字を見て正直に感じたことはNoteに書いています。)

静かな日常

我慢比べの開始

今の市場を一言で表すなら「我慢比べの開始」です。

市場と自分の、我慢比べ。先に折れた方が負け。

歴史的に見れば、市場は必ず回復してきた。湾岸戦争でも、リーマンショックでも、コロナでも、関税ショックでも。時間はかかるけど、S&P500は常に最高値を更新し続けてきた。

自分がやることは決まっています。月々の積立を続ける。証券口座は見るけど、深く考えない。相場が戻るまで、欲しいものは我慢する。

たぶん、いつかこの記事を読み返して「あのときも耐えてよかったな」と思う日が来る。

娘が将来投資を始めたとき、この記事を読んで「パパ、戦争のときも売らなかったんだ」と知ってくれたら、それはちょっと嬉しい。

でもまあ、読まないだろうな。たぶん。

※この記事は個人の投資体験の記録です。特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任のもとで行ってください。

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