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投資実践 · 9分で読める

トランプ関税で700万消えたけど、何もしなかった

トランプ関税で700万消えたけど、何もしなかった

2026年2月20日、米最高裁がトランプの相互関税を「違憲」と判断した。ニュースは大騒ぎだった。日経平均は5日連続で下がってた。で、僕は何をしたかというと——何もしなかった。

正確には、「何もしないことを選んだ」。これは怠惰じゃなくて、退屈な最初の3年を含む8年かけてたどり着いた結論です。

5000万が見えてたのに、700万消えた

話は2025年4月に遡る。

トランプが相互関税を本格的に発動した。中国には最大125%、日本にも24%の関税をかけてきた。財務省の関税関連資料を見ても、この規模の関税措置は異例中の異例だ。市場は当然パニックになった。

株式市場のチャート画面

僕のポートフォリオも直撃を受けた。ピーク時に5000万が見えていた資産が、一気に4300万まで落ちた。700万円が数日で消えた。

700万ってけっこうな額だ。中古車が買える。家族旅行に何回行ける? って考え始めたらキリがない。

でも、売らなかった。2018年から一度も売っていないという記録は、ここでも途切れなかった。積立額も変えなかった。証券口座のアプリは見たけど、やったのは数字を確認しただけ。

個別株時代の自分なら、間違いなく売ってた

これが5年前の自分だったら、絶対に耐えられなかったと思う。

個別株をやってた頃は、株価が下がるたびに原因を必死で調べてた。決算? 業界ニュース? 空売り? 何が起きてるのかわからないまま、毎日赤い数字を見続ける恐怖。あれは本当にキツかった。

インデックス投資に切り替えてから、一つだけ決定的に変わったことがある。

下がった理由がわかるようになった。

「トランプが関税を発動したから下がった」。これだけで、気持ちの持ちようが全然違う。原因がわかっていれば、「じゃあこの先どうなるか」をある程度予測できる。少なくとも「理由もわからず下がり続ける」恐怖からは解放される。

個別株の暴落は交通事故みたいなもので、いきなり来る。インデックスの下落は台風みたいなもので、天気予報で事前にわかる。どっちも被害は出るけど、心の準備ができるかどうかで受け止め方が全然違います。

「何もしない」にたどり着くまでの思考

700万が消えた日、何も感じなかったかと言えば嘘になる。夜中に目が覚めて証券口座を開いたし、妻に「大丈夫なの?」って聞かれもした。

でも、その時に頭の中でやったのは、とてもシンプルな確認作業だった。

まず、「生活費は足りるか?」。毎月の給料は変わらない。生活防衛資金として1年分の現金は別に確保してある。明日の暮らしには何も影響しない。OK。

次に、「積立を止める理由はあるか?」。積立投資の本質は、下がった時にも機械的に買い続けること。むしろ安く買えるチャンスだと頭では理解している。止める合理的な理由はない。OK。

最後に、「この下落は一時的か、永久的か?」。S&P500の歴史を見れば、過去の大暴落——リーマンショック、コロナショック、ITバブル崩壊——はすべて数年以内に回復している。世界経済が永久に沈むシナリオは、少なくとも過去には一度も実現していない。今回も関税という明確な原因がある以上、政策が変われば市場は反応する。OK。

この3つを確認して、「何もしない」が合理的だという結論になりました。感情ではなく、チェックリスト的な思考プロセスで判断したと言ったほうが正確です。

長期で持てば勝率は高い、という事実

「何もしない」を支えてくれるのは、感情論じゃなくてデータだ。

S&P500に20年以上投資し続けた場合、過去のどの時点で始めても元本割れしなかったという統計がある。1年単位で見れば当然マイナスの年もあるけど、20年という時間軸で見るとプラスになっている。

もちろん、過去のリターンが将来を保証するわけじゃない。でも「世界経済は長期的に成長してきた」という事実は、少なくとも今のところ覆っていない。インデックス投資はその成長に乗る仕組みだから、時間を味方につけられるかどうかがすべてだ。

700万減ったとしても、投資元本に対してはまだ大幅なプラス。そして毎月の積立で安い価格でも買い続けている。回復したときに、この期間の積立がリターンを押し上げてくれる。頭ではわかっている。問題は「頭でわかっている」と「心が納得する」の間に深い溝があることだけど。

回復の過程で思ったこと

関税ショック後、市場は数ヶ月かけてじわじわと戻していった。一気に回復するんじゃなくて、上がったり下がったりしながら、気づいたら戻っている。いつも通りのパターンだった。

面白いのは、回復の途中では「回復してる」と実感しにくいこと。毎日の変動が小さいから、先週より増えたかどうかもよくわからない。3ヶ月くらい経って、ふと「あ、けっこう戻ってるな」と気づく。ダイエットと似てるかもしれないです。毎日体重計に乗っても変化がわからないけど、3ヶ月前の写真と比べたら明らかに違う、みたいな感じ。

この「気づいたら戻ってた」を何度か経験すると、暴落への耐性がついてきます。コロナの時もそうだった。今回の関税ショックもそうだった。次に何が来ても、たぶん同じ結論になる。「何もしない」。

最高裁が違憲って言ったのに、何も解決してない

で、2026年2月20日に話を戻す。

静かな朝のコーヒー

最高裁は6対3で「大統領に関税を課す権限はない」と判断した。これ、一見すると良いニュースに見える。でも、トランプはその日のうちに通商法122条を使って新しい10%関税に署名した。

終わったと思ったら、また来る。

この人は言ったことをやり切る性格だと思っているので、この手の展開はこの先もずっと続くと思います。関税の形は変わっても、「市場を揺さぶるイベント」は定期的にやってくる。コロナ、ウクライナ、関税ショック。次は何かわからないけど、何かは来る。

だったら、いちいち反応してたらキリがない。

物価高の正体は「全部のせ」

関税の話をすると、どうしても投資の話になりがちだけど、日常生活への影響のほうが実はデカい。

スーパーに行くたびに思う。「また値上がりしてる」。コメは前年比で約90%上がったらしいし、食品は2万品目以上が値上げされた。牛丼もハンバーガーも25%くらい上がってる。

じゃあこの物価高、全部トランプのせいかというと、そうじゃないです。

コロナで世界中の政府が合計13.9兆ドルのお金をばらまいた。サプライチェーンが壊れた。ロシアとウクライナの戦争でエネルギーと穀物が高騰した。日本は円安で輸入品が全部高くなった。人手不足で人件費も上がってる。

要するに「全部のせ」状態。一つの原因じゃなくて、いろんなものが重なって今の物価高になっています。関税はその中の一つにすぎない。

いつまで上がり続けるのかはわからない。それは正直、不安ではあります。

ドル建て資産が「保険」になっていた

ただ、一つだけ救われてることがある。

8年前に米国株のインデックス投資を始めたこと。これが結果的に、円安への対策になっていた。

日々のオフィス風景

円安で物価が上がる。でも、自分の資産の大部分はドルベースで運用されている。円の価値が下がれば、ドル建ての資産は円換算で増えます。

投資を始めたときに円安ヘッジなんて考えてなかった。たまたまです。でも結果として、「生活は圧迫されてるけど、資産は守れてる」という状態になっています。

もし投資をやってなかったら、この物価高の中で貯金が目減りしていく恐怖だけを抱えてたと思います。

同僚には「困るよなー」としか言えない

会社で昼休みに「最近ほんと物価高いよね」って話になることがある。

「困るよなー」って返す。本音はそれだけじゃないんだけど。

「実はドルベースで資産持ってるから、円安はむしろプラスなんだよね」なんて言えるわけがない。人間関係が一瞬で壊れる。お金の話は特に、相手との温度差があると致命的です。昔の上司がお金の自慢をして関係が崩壊したのを見てるから、余計に。

言いたいけど、言えない。

このブログでしか言えないことを、ここに書いています。そういう場所がないと、たぶんどこかで漏れてしまう気がする。

原因がわかれば、動じない

トランプ関税で700万消えた。物価は上がり続けてる。最高裁が違憲と言っても、新しい関税が出てくる。

でも、全部「原因がわかってる」下落だ。

個別株で200万溶かした頃の自分は、原因がわからないまま毎日赤い数字を見て、手が震えてた。今は原因がわかってるから、同じ下落でも受け止め方が違う。

やることは変わらない。毎月の積立を淡々と続ける。ニュースは見るけど、ポートフォリオはいじらない。深夜4時に証券口座を開いてしまう癖はまだ完全には治ってないけど、それでも売買ボタンには触らない。この先もトランプは何かやるだろうし、関税以外のショックも来ると思います。

そのたびに「何もしない」を選ぶ。8年かけて身についた、一番地味で、一番難しい投資戦略です。

暴落が来たら、これだけ確認する

最後に、自分がやっている「暴落時の確認リスト」を書いておきます。

1つ目。生活防衛資金は確保されているか。投資に回していないキャッシュが生活費の半年〜1年分あるなら、慌てる必要はないです。明日の生活に影響がないなら、それだけで冷静さを保てます。

2つ目。下がった原因は何か。原因が特定できる下落(関税、政策変更、地政学リスクなど)は、時間が経てば織り込まれる。原因がわからない下落のほうが怖いけど、インデックス投資をしている限り個別企業の不祥事で致命傷を負うことはない。

3つ目。自分の投資方針は変わったか。答えが「変わっていない」なら、やることも変わらない。方針を変えるべきなのは、ライフステージが変わった時(退職、大きな出費など)であって、相場が動いた時じゃない。

4つ目。この判断を5年後に振り返ったらどう思うか。5年前にパニック売りしていたら、今どうなっていたか。たいていの場合、「売らなくてよかった」になる。

これは投資の教科書に書いてあるような話かもしれない。でも700万が消えた瞬間にこれを冷静にやれるかどうかは、経験の積み重ねでしか身につかないと思っています。


※この記事は個人の投資体験談であり、特定の金融商品の推奨や投資助言ではありません。投資は元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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