賃上げ5.26%のニュースと、自分の手取り
2026年3月。テレビをつけたら春闘の速報が出ていました。
「賃上げ率5.26%、3年連続5%超え」
ふーん。
朝ごはんを食べながら、なんとなくスマホで自分の給与明細を開いてみました。賃上げ5%と言われても、手取りには1円も反映されていない。今年の昇給、ゼロ。ベースアップもゼロ。知ってた。知ってたけど、5.26%のニュースの直後に見ると、胸のあたりがスーッと冷たくなる感覚がありました。怒りとも違う。諦めとも違う。なんだろう、この感じ。

しばらくスマホの画面を見つめて、「まぁ、そうだよね」と呟いて、味噌汁を飲みました。40代サラリーマンの朝は、こんなもんです。
この数字を見たときの正直な気持ちは、Noteに書いています。
5.26%の内訳を冷静に見てみる
ニュースの数字をもうちょっと分解してみます。
連合の第1次集計(3月23日時点、1,100組合)で5.26%。ただ、この数字をそのまま受け取ると痛い目を見ます。
| 区分 | 賃上げ率 |
|---|---|
| 全体平均 | 5.26% |
| 300人以上の大企業 | 5.40% |
| 300人未満の中小企業 | 5.05% |
| 40代の平均昇給(一般的なデータ) | 約1.9%(月3,000円程度) |
連合に加入している組合がある企業、という時点でかなりフィルタリングされています。経団連に入ってるような大企業が中心。
で、40代。ここがキツい。若手の初任給引き上げや、20代〜30代前半の待遇改善に予算が優先されて、40代の昇給は後回しになりがちです。たしか北見式賃金研究所だったと思うんですが、40代の37%が「昇給ゼロ」だったという調査結果を見た記憶があります。3人に1人以上。
あ、自分だけじゃなかったんだ。
その数字を見たとき、安心したのかガッカリしたのか、自分でもよくわかりませんでした。(同じ境遇の人がこんなにいるのに、なぜ誰も声に出さないんだろう。)
ここ2〜3年を思い返すと、たしかにベースで3%くらいは上がった記憶があります。記憶、というのがポイントで、正確な数字はもう覚えていません。3%上がったとき、手取りの変化を実感できたか?
「こんなもんだろう」としか思わなかったです。
理由は簡単で、社会保険料がしっかり増えているから。2026年の今、社会保険料の負担率は手取りの2割超え。さらに今年4月からは「子ども・子育て支援金」が新しく引かれ始めます。月にすると500円くらいらしいですが、「また増えたか」という気持ちの問題が大きい。
3%上がっても、手取りに反映される頃にはほぼトントン。
額面アップ → 保険料アップ → 手取り変わらず。このサイクル、もう何年目だろう。
給料に期待しなくなった転機
いつから給料に期待しなくなったか。
出世を諦めた頃からです。
ちょうど投資を本格的に始めた時期と重なっています。課長を降りて、もう管理職の道はないなと腹をくくったタイミング。体調を崩して、営業の現場に戻って、「あ、この先の昇給カーブはもう寝るな」と悟った瞬間がありました。
あの頃はまだ「給料が上がっていく前提」で人生設計を考えていました。年功序列で、あと20年働けば、まぁそこそこ——みたいな。日本のサラリーマンの大半が、たぶんこの前提で生きています。
投資を始めてから、その前提がひっくり返りました。
給料は「成長エンジン」ではなく「投資の燃料」になった。
成長するのは投資先であって、自分の給料じゃない。最初の頃は、正直これは負け惜しみだったかもしれません。出世できなかったから「別に給料なんて」と思い込もうとしていた部分もあった。でも8年経って、手取り35万から月17万を投資に回し続けた結果、総資産が5,000万を超えた。もう負け惜しみとは呼べない。
毎月の給与明細を見て一喜一憂することがなくなりました。
手取り35万の使い道を全部見せます
じゃあ実際、手取り35万をどう使っているか。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| FANG+(投資信託) | 10万 |
| NASDAQ100(投資信託) | 5万 |
| iDeCo | 2万 |
| 住宅ローン + 管理費 | 残りのほぼ全部 |
| 自分の口座に残る額 | ほぼゼロ |
月17万を投資に回しています。手取りの約半分。

自分の口座だけ見たら完全に赤字です。住宅ローンと管理費を払って、投資に17万を入れたら、財布の中はスカスカ。生活費は奥さんの収入と合わせて回しています。足りない分は奥さん側から補填。
給与明細を見せたら「え、これで生活できてるの?」と言われそうな数字です。
ただ、これを「赤字」だと思ったことはないです。
「毎月の家計から捻出」という考え方を捨てた
ここが一番伝えたいことかもしれません。
「毎月◯万円を投資に捻出する」って考え方、すごくしんどくないですか?
毎月節約しなきゃいけない。赤字か黒字か計算しなきゃいけない。今月は使いすぎたから投資に回せない、来月はちょっと増やそう——この繰り返しが精神的にキツい。
僕はこの考え方をやめました。
今やっていることは「貯金を投資に徐々に移動させている」だけです。
家全体の資産を俯瞰して、現金と投資の比率を見る。今は現金が850万くらいあって、投資との比率は22:78。目標は現金10〜15%。夫婦で働いているうちは現金500万あれば十分だと思っているので、あと350万分くらいは投資に移してもいい計算です。
だから毎月の収支が赤字でも気にならない。家計簿じゃなくてポートフォリオを見ている。
500万を切ったら、そのとき投資金額を調整すればいい。それだけです。
この考え方に変えてから、「今月は投資に回せなかった」という罪悪感が消えました。毎月の収支で自分を責めるのをやめて、半年〜1年スパンで資産全体の推移を眺める。スプレッドシートを1枚作って、四半期ごとに現金比率をチェックしています。(はい、Excel好きです。妻には引かれてます。)
(なお、ここに書いた金額や比率は僕個人の状況です。投資判断はご自身の状況でどうぞ。)
給料と仕事の評価を、切り離せるようになった
投資をやっていて意外だった副作用があります。
給料が上がらないことへのストレスが、完全にゼロになりました。期待してないから。
ただ——仕事の評価は別です。仕事は頑張っているので、仕事そのものが評価されないのはストレスです。でも、それは「給料が低い」というストレスとは違う。純粋に「自分の仕事ぶりを認めてほしい」という話。
この2つを分けて考えられるようになったのは、たぶん投資のおかげです。
投資がなかった頃は、仕事の評価=給料=自分の価値、みたいに全部つながっていました。昇進できない=給料上がらない=俺ダメなやつ。この連鎖がキツかった。
今は、仕事は仕事。お金はお金。それぞれ別の軸で動いています。
だから春闘のニュースが出ても、会社で給料の話はしません。みんなどうしてるか興味はあります。同期がいくらもらってるか、正直気になる。でも、上がった人の話は自慢に聞こえる。上がらなかった人の話は僻みに見える。どっちのポジションにもなりたくない。だから聞かない。言わない。ボーナスが良かったときだけ、奥さんに報告する程度です。

2つの軸がある安心感
この記事を書いていて気づいたことがあります。
僕が給料に対して「まぁそうだよね」で済んでいるのは、投資というもう1本の軸があるからです。
給料だけに依存していたら、春闘5.26%で自分はゼロ、という事実はもっと刺さっていたと思います。「なんで自分だけ」「転職した方がいいのか」「この会社にいる意味あるのか」——そういう方向に思考が行きがちになる。
逆に、投資だけでもキツい。相場が崩れたとき、収入源がなかったら精神的にもたない。中東情勢で含み益が溶けてるときに給料という安定収入があるから、「まぁ待とう」と思える。
給料と投資。どっちかだけだとかなり辛い。2本あるから、片方が揺れてももう片方で立っていられる。
で、来年の春闘はどうでもいいのか
いや、どうでもよくはないです。給料は大事。マジで。自分の市場価値を測るバロメーターだし、投資の原資でもある。昇給の明細はちゃんと確認した方がいい。
ただ、40代になると気づくんです。頑張れば給料が上がる、という時代は終わっていたことに。若手に予算が回り、社会保険料が増え、自分の努力と手取りが連動しなくなる。
だから僕は、給料の隣にもう1本、柱を立てました。
この8年で給料はたぶん3%くらいしか上がっていない。でも資産は何倍にもなった。来年の春闘がどうなろうと、朝4時に証券口座を開く日課は変わりません。
春闘? まぁ、ニュースが流れたら給与明細を開いて確認するくらいはします。
(あ、そういえば今朝の含み益、昨日より2万減ってた。春闘より気になる。)
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