投資デビューは、持ち株会の月3万だった
自分の投資歴って、実はかなりほろ苦いところから始まっています。
会社の持ち株会。月3万。給料から天引きされるやつ。「投資」なんてカッコいいものじゃなくて、会社が推奨してたから何となく始めました。それを5年ぐらい続けた。
で、何が起きたかというと、始めた時点ですでにITバブル崩壊の余波で市場全体が低迷していて、株価がなかなか戻らない。じわじわ回復してきたかと思った5年目あたりで、リーマンショックが来た。
含み損が70万まで膨らんで、最終的に売りました。利確っていうか損切り。「もういいや」と思って手放した。5年間コツコツ積み立てて、結果マイナス。なかなかのデビューです。この苦い経験が、後に仕事の挫折から本格的に投資を始めたきっかけの一つになりました。
5年じゃ足りなかった
ただ、あの経験には一つだけ収穫がありました。
もし10年持ち続けてたら、たぶんプラスになってた。これは後から冷静に考えて、確信に近いものがあります。持ち株会の積立って、株価が下がってる時も買い続けてるわけで、リーマンショック後の回復局面まで持ってたら取り戻してたはず。
でも自分は5年でやめた。時間が足りなかった。
積立投資は最低でも10年。これが持ち株会から得た、たった一つの教訓でした。
インデックスの仕組みを知って、腑に落ちた
持ち株会を辞めた後、しばらく投資から離れてました。で、あるとき「インデックス投資」の仕組みを知る。
上がり続ける銘柄は指数に残って、下がり続ける銘柄は外れていく。日本証券業協会のサイトでも解説されている通り、自分で銘柄を選ぶ必要がない。自分の判断が入り込む余地がない。
これだ、と思いました。
持ち株会は1社の株に全部賭けてた。その会社がダメになったらアウトっていう構造。でもインデックスなら市場全体に賭けてる。個別の会社が潰れても、指数は入れ替わりながら生き続ける。
知識の問題だったんだなと思います。持ち株会の頃の自分には、この選択肢が見えてなかった。

月15万で始めた本当の理由
インデックス投資を始めるとき、月15万でスタートしました。
「月15万も投資に回せるのかよ」と思うかもしれないけど、実態はちょっと違います。毎月の給料から15万を捻出してたわけじゃない。当時、資産はほぼ全部現金でした。銀行の預金口座にドンと入ってる状態で、これを徐々に投資に移し替えたかった。
でも一気に数百万を証券口座にぶち込む勇気はない。精神的にキツすぎる。
だから積立という形を選びました。毎月15万ずつ、貯金から投資信託に移していく。機械的に。自分の感情を介在させずに。
目標は資産の50%を投資、50%を現金にすること。一気にやるんじゃなくて、じわじわと比率を変えていく作戦。積立って投資の手段でもあるけど、自分にとっては精神安定剤みたいなものでした。
最初の3年は、マジで増えない
で、ここからが本題なんだけど。
インデックス積立を始めて最初の3年間。本当に増えない。含み益は100万から200万ぐらいをウロウロしてました。
いや、冷静に考えたら100万も増えてるんだから十分じゃんって話なんだけど、体感としては「増えてない」に近い。毎月15万入れてるのに、評価額がそんなに変わらない月もあるし、下がる月もある。
積立投資あるあるだと思うんだけど、最初の数年って入金額に対してリターンが小さいから、自分が貯金してるのか投資してるのかよくわからなくなります。
「これ、ただ銀行口座から証券口座にお金を移してるだけじゃないのか?」
マジでそう思ってた時期があります。
5年目から、景色が変わった
ところが5年目あたりから、明らかに数字の動きが変わり始めました。
含み益が一気に500万を超えた。今まで100万、200万のあたりをウロウロしてた数字が、急に跳ねた。同じように毎月積み立ててるだけなのに、増え方のスピードが違う。
これが複利か、と初めて体で理解した瞬間でした。

嬉しかったか? もちろん嬉しかった。でも、同時に怖くなりました。
含み損を抱えてるときの方が、精神的にはシンプルだった。「下がってるから待つしかない」って、やることが明確だから。でも含み益が出てくると話が変わります。
「今売ったら500万の利益が確定する」 「でもここで売ったらもったいない」 「いや、明日暴落したらどうする?」
この三つが同時に頭の中でグルグル回る。損してるときより、儲かってるときの方が判断が難しい。誰も教えてくれなかったこの感覚、投資やってる人なら分かると思います。
「自分の判断を信じない」というルール
で、結局売らなかった。
持ち株会のときは、自分の判断で売り買いして失敗した。だからインデックス投資では一つだけルールを決めました。
売りたくなっても売らない。買い増したくなっても予定通りの金額だけ。相場が上がっても下がっても、毎月同じ額を淡々と積み立てる。自分の感情ではなく、市場の歴史に判断を委ねる。
言葉にすると簡単だけど、含み益500万を目の前にして「売らない」を選ぶのは結構しんどい。でも持ち株会の苦い経験が、変な話、免疫になってました。コロナショックのときも一瞬揺らいだけど、「ここでやめたら元も子もない」と踏みとどまれたのは、あのほろ苦い5年間があったからだと思います。
投資の結果で、普段の生活を変えない
一つだけ反省があります。含み損が出てる時期、無意識に日常の消費を抑えてしまっていた。新しい服を買うのをやめたり、外食を減らしたり。別にルールとして決めてたわけじゃないのに、自然とそうなってた。
逆に含み益が出てるときは、ちょっと気が大きくなったりもする。
これ、よくないなと思いました。
投資のパフォーマンスと日常生活は切り分けるべきです。証券口座の数字が上がろうが下がろうが、晩ごはんは同じものを食べるし、娘の誕生日プレゼントはちゃんと買う。投資と生活を混ぜると、どっちの判断もおかしくなる。
「1年分の生活費」という安心ライン
8年経って、資産の比率に対する考え方も変わりました。共働き家計の具体的な数字は別の記事で公開しているけど、ここでは比率の考え方について話します。
最初は現金50%、投資50%が目標でした。でも資産全体が大きくなってくると気づいたことがある。1年間生活できるだけの現金があれば、それで十分安心できます。
今の目標比率は現金20%、投資80%。最初は半分も投資に回すのが怖かったのに、8年の経験で感覚が変わりました。暴落も経験して、それでも資産が増え続けたという事実がある。だからこそ、投資の比率を上げることに抵抗がなくなった。
最初からこの結論は出せなかった。時間がかかる話なんだと思います。

結局、退屈に耐えられるかどうか
積立投資で一番大事なことは何かって聞かれたら、「最初の3年を耐えること」と答えると思います。
増えない。面白くない。本当にこれでいいのか不安になる。でもその退屈な3年間が、5年目以降の加速のための助走でした。
持ち株会の月3万で始まった投資人生。失敗して、インデックスに出会って、月15万の積立を8年続けた。派手なことは何もやってない。ただ、やめなかっただけ。結果として2018年から一度も売らずに含み益2000万に到達しました。
地味でしょう。でも、地味が一番強いと思っています。
※この記事は個人の体験に基づく情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。