最初に買った株は、好きなゲームの会社だった
投資を始めたきっかけなんて、大層なものじゃないです。SBI証券をWebで検索して、なんとなく口座を開いて、なんとなく好きなゲーム会社の株を買った。それだけ。
「将来の資産形成のために」なんて高尚な理由はゼロ。ただ純粋に「好きな会社の株主になったら面白そう」っていう、完全に趣味の延長でした。
で、株価がちょっと上がった。10万、20万の利益が出た。「おっ、やるじゃん自分」って思って、すぐ売った。
これが僕の投資人生最大の後悔です。

売った株、今いくらか知ってます?
あのとき売らずに持ってたら、何倍にもなっていました。具体的な数字を見たときは、正直しばらく落ち込みました。10万、20万の利益で喜んで売ったあの株が、持ってるだけで何十倍。
でも当時の自分には「長期保有」っていう概念がそもそもなかった。株を買う=上がったら売る。それが「投資」だと思ってた。今振り返ると、あれは投資じゃなくてただのギャンブルに近かった。
上がったら嬉しい、下がったら怖い。毎日チャートを見て一喜一憂して、10万の含み益で「勝った!」と思って利確する。そんなことを繰り返してたら、そりゃ大きなリターンなんて取れるわけがない。
空白の10年で、ゆっくり頭が変わった
ゲーム株を売った後、投資からほぼ離れました。5年から10年くらい、ほとんど何もしてない空白の期間があった。
きっかけは二重のパンチでした。会社の持ち株でもそれなりに損を出していたところに、リーマンショックが来た。もう投資どころじゃない。「株」という言葉自体が視界から消えたと言っていい。懲りたとか、怖くなったとかじゃなくて、文字通り忘れてた。
その間にやったことと言えば、高配当株をちょこっと買って、株価の上下は見ないようにしてたくらい。それすら半分惰性みたいなもんだった。
もう一度やってみようと思ったのは、アベノミクスの頃。株界隈が盛り上がっていたのと、気づけば貯金がまた貯まっていた。安い趣味のおかげで、使わなかったお金が口座に積み上がっていました。
振り返ると、この空白の期間は無駄じゃなかった。少しずつ、少しずつ、自分の中で「短期で儲けよう」から「長期で増やそう」に思考が切り替わっていった時期だったと思います。積立投資の最初の3年は本当に増えないけど、この空白期間の経験があったからこそ、後の退屈な時期に耐えられたのかもしれません。
NISAで再スタート。でも、すぐに試練が来た
仕事で挫折して(前回の記事に詳しく書きました)、改めて資産形成を真剣に考え始めたとき、選んだのはNISAでのインデックス積立投資でした。個別株じゃなく、インデックス。短期じゃなく、積立。過去の失敗から学んだつもりだった。
でも、そんなに簡単に人間の本能は変わらない。
調子のいい年に、含み益が200万円を超えました。200万。頭の中で電卓が回り始める。「今売ったら200万の利益。家族で旅行にも行ける。新しい家電も買える」。
しかもテレビでは、コメンテーターが「来年はアメリカ株が下がる」「今のうちに利確すべき」って言ってる。一人じゃない、複数の専門家が。
正直、めちゃくちゃ迷いました。スマホでSBI証券のアプリを開いて、売却ボタンの手前まで行ったこともあった。と思います。たぶん。
「考えない」という最強の投資戦略
でも、踏みとどまりました。理由は2つあります。
1つ目は、ふと気づいたこと。「アメリカ株は下がる」って、毎年誰かが言ってる。2023年も2024年も2025年も。で、振り返ってみると、言ってた人が当たった年もあれば外れた年もある。つまり、誰の予想も確定してない。テレビの専門家の予想も、僕の予想も、結局は「わからない」が正解です。
2つ目。これが決定的でした。「仮に今売ったとして、その後どうする?」って考えた。売って現金にしたとして、また投資に戻すとき、一括で300万、400万をドーンと買い直す勇気、僕にあるか。
ない。絶対ない。
積立だったら月10万、20万。これは勇気なくても続けられる。でも一括で数百万?それは完全に別の話。売った瞬間、二度と同じポジションに戻れなくなるかもしれない。
その時に悟りました。僕にとっての最強の投資戦略は「考えないこと」だと。

自分の判断が正しいかどうかなんてわからない。テレビの専門家にもわからない。だったら、余計なことは考えず、自然に任せる。歴史的にインデックスは上がってきた。それを信じて、毎月淡々と積み立てる。自分の思考を無くすことに努力する。
普通は「もっと勉強して賢い判断を」って考える。でも僕は逆でした。考えれば考えるほど、余計なことをしてしまう。だから、考えない仕組みを作った。

今の投資スタイル:夫婦で月35万(iDeCo含めると月37万)の積立
今は家族ぐるみで積立投資をしています。
僕の口座はちょっと攻めてて、FANG+に月10万、NASDAQ系に月5万。テック好きなので、ここは趣味も入ってます。正直ゲーム株買ってた頃の自分がちょっと残ってる(笑)。
奥さんの口座はオルカン(全世界株式)に月20万。こっちは守りの投資。世界中に分散されてるから、僕のテック偏重と合わせると、家族全体ではバランスが取れてるかなと。これに加えてiDeCoに月2万。iDeCoは60歳まで引き出せないけど、掛金が全額所得控除になるので節税メリットが大きい。NISA分の35万とiDeCoの2万を合わせると、夫婦で毎月37万を投資に回している計算になります。将来的にはこどもNISAも検討していて、娘のお年玉で始める予定です。
奥さんの口座は僕がほぼ全部管理しています。いわば家庭のファンドマネージャーとして口座開設も自分が手伝ったし、銘柄選びも任せてもらっている。定期的に「今こんな感じだよ」って報告はするけど、基本的には信頼して任せてくれています。ありがたい話です。
ちなみに今は現金が1000万くらいあるので、この積立を続けて現金比率を徐々に下げていっています。500万くらいになったら積立額を減らす予定。一括投資はしない。あくまで積立で、淡々と。一括で投入する勇気がないのは、さっき書いた通りです。
勇気なんて、いらなかった
振り返ると、僕の投資遍歴は「勇気のなさ」の歴史です。
ゲーム株を持ち続ける勇気がなくて、10万20万で売った。200万の含み益を前に売る勇気も、売らない勇気もなくて迷いまくった。一括投資する勇気もない。
でも、積立投資だけは続けられた。なぜなら、勇気がいらないから。
毎月自動で引き落とされて、自動で買われる。株価が上がってても下がってても関係ない。自分の感情も判断も介入しない。仕組みが勝手にやってくれる。
投資はリスクがある。それは間違いない。でも積立でやることで、自分の思考に左右されずに続けられる。勇気がなくても始められるし、勇気がなくても続けられる。
10万の利益で喜んで株を売ってた僕が、今は含み益を見ても何も感じなくなった。それは僕が強くなったからじゃない。考えない仕組みを作ったからです。
投資に必要なのは、勇気じゃなくて仕組み。これが、自分の投資遍歴から得た一番の学びです。
※この記事は個人の体験に基づく情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。