メインコンテンツへスキップ
投資実践 · 7分で読める

2018年から一度も投資信託を売っていない。含み益は2000万になった

2018年から一度も投資信託を売っていない。含み益は2000万になった

含み益2000万。でも一番覚えてるのは、200万で「売りたいーー」ってなった瞬間

2018年に楽天VTIを月15万で積み立て始めて、8年が経った。

その間、一度も売っていない。一回も。コロナショックで含み損が膨らんだ時も。含み益が200万を超えて「今すぐ現金化したい」ともがいた時も。相場がザワついた時も。積立の設定をいじったことすらない。

結果、含み益は2000万になった。

自分でも信じられないけど、特別な才能も戦略もいらなかった。ただ「売るボタンを押さなかった」だけ。それだけの話なのに、この「それだけ」が一番難しかった。

月15万を入れ始めた頃、毎日が不安だった

積立を始めた頃の話はこっちの記事にも書いたけど、当時の心境をもう少し正直に言うと、めちゃくちゃ不安でした。

月15万。年間180万。この金額が毎月、よくわからないファンドに吸い込まれていく。

最初の数ヶ月は評価額がほぼ変わらないか、入金した分より減ってる日もある。15万入れたのに残高が14万しか増えてない。銀行の定期預金なら少なくとも減りはしない。その安心感を手放して、毎月15万を投入し続けるのは、冷静に考えるとだいぶ変なことをしています。

「これ、本当に増えるのか?」

不安がいっぱいでした。「いっぱい」なんて子どもみたいな言い方だけど、本当にそうとしか表現できない。漠然とした、でも確実にそこにある不安。毎月の引き落とし日が近づくたびに、胃のあたりがキュッとなる感覚があった。

でもやめなかった。個別株で失敗した経験があるから、自分の判断で動くよりもシステムに任せた方がマシだと、骨の髄まで知っていたから。

コロナショックで心が揺れた

2020年、コロナショック。

証券口座を開いたら、含み損が30万〜70万くらいまで膨らんでいました。正確な数字はもう覚えてない。覚えてないんじゃなくて、覚えてないことにしてるだけかもしれない。

「このまま大丈夫かな」

それだけが頭の中をグルグル回っていた。ニュースは連日「歴史的暴落」と報じてるし、いつ底を打つかなんて誰にもわからない。積立を一旦止めるべきか。いっそ全部売って底で買い直した方が賢いのか。

でもそこで、ふと冷静になった。

積立投資は、下がった時にも買える。投資信託協会が説明しているドルコスト平均法そのもので、株価が下がってるということは、同じ15万でより多くの口数を買えてるということ。安く仕入れてるのと同じです。ここで売ったり止めたりするのは、バーゲンセールの入り口で帰るようなもの。

結果的にコロナの下落は思ったより期間が短かった。数ヶ月で回復して、プラスに転じた時には素直に思いました。売らなくてよかった、と。

穏やかな海を前に立つ人のシルエット

暴落より怖いもの、それは含み益

ここで一つ、意外な事実を。

8年間で一番「売りたい」と思ったのは、コロナの暴落時じゃない。含み益が200万を超えた時だ。

売りたいーー。

投資やってない人にはピンと来ないかもしれないけど、「持ってるだけで200万増えてる」って状況は精神的にけっこうキツい。200万あったら家族旅行に何回行ける。新しいパソコンも買える。娘に何か買ってあげることだってできる。目の前に200万のボーナスがぶら下がってるのに、手を伸ばさないでいるのは拷問に近いです。

含み損の時は「待つしかない」って腹が括れるから、ある意味シンプル。選択肢がないから迷わない。でも含み益が出てると「今売れば確定利益」と「持ち続ければもっと増えるかも」が頭の中で殴り合いを始めます。

「利益が出てる時に売るのが一番難しい」ってよく聞くけど、あれは本当。体験した人にしかわからない種類のしんどさがある。

売らなかった理由が、情けないほどシンプルだった

じゃあなんで200万で売らなかったのか。

鋼の意志? 長期投資の信念? いや、違います。もっとシンプルで、ちょっと情けない理由。

仮に売って、300万が手元に戻ってきたとする。で、その後どうするか。

その300万を、もう一回一括で投資信託に突っ込む勇気、自分にあるか。

ない。絶対ない。

積立なら月15万ずつ。これは何も考えずに続けられる。でも手元に戻ってきた300万を「よし、全額いくぞ」ってワンクリックで投入する度胸は持ち合わせていない。積立でコツコツ何ヶ月もかけて積み上げたポジションを、一回のクリックで手放す。そしてまたゼロからコツコツ積み上げ直す。

そんなの嫌に決まってます。

だから売らなかった。勇気がないから売れなかっただけ。カッコ悪い。でも投資において「カッコ悪い判断」が正解だったりします。

地平線に向かって伸びる一本道

何があっても、設定はいじらない

8年間売らずに済んだもう一つの理由があります。

そもそも自分の判断に依存しないと決めたこと。

過去の失敗で学んだのは、自分の頭で考えて投資すると碌なことにならないということです。だから投資信託を始めた時、ルールを一つだけ作った。何があっても設定はいじらない。

ニュースで「暴落が来る」と言ってても、SNSで「利確しろ」と流れてきても、何もしない。証券口座は朝チェックするけど、売買ボタンには触らない。完全にシステムに任せる。

色々な情報が日々流れてくる。「今は現金比率を高めるべき」「この銘柄に乗り換えろ」「暴落前に一旦逃げろ」。8年間、全部スルーしてきました。

むちゃをして一気に買い増したりもしてない。淡々と。本当に淡々と。毎月同じ日に同じ金額が引き落とされて、同じファンドが買われる。それだけ。

退屈です。うん、退屈。でもこの退屈が2000万を作った。

8年後の景色

含み益200万で「売りたいーー」って叫んでた自分に、今の数字を見せてやりたい。

2000万。あの時の10倍。

あの時売ってたら、200万の利益と引き換えに、残りの1800万をドブに捨ててたことになる。200万で満足して売ってたら、1800万の未来を自分で潰してた。

正直に言うと、2000万になった今でも「売りたい」はゼロじゃないです。資産が5000万を超えても不安は消えないのと同じで、人間だから。数字が大きくなればなるほど「利確して安全圏に逃げたい」って気持ちは出てくる。2000万が1500万になる日も来るかもしれない。実際、トランプ関税で700万が消えた時も何もしなかった。500万が一晩で消える日だってあり得る。

でも、もう知ってしまった。売ったら二度と同じ場所には戻れない。そしてシステムに任せ続ける限り、時間が勝手に答えを出してくれるということを。

2018年の自分へ

もし8年前の自分に声をかけるなら、伝えたいことは二つだけ。

持ち続けることの大事さ。そして自分の判断じゃなくてシステムに依存することの大事さ。

この二つは、8年間「何もしない」を続けた人間にしか言えない。逆に言えば、8年間何もしなかっただけで、こんなに偉そうなことが言えるようになる。投資って不思議です。

一番難しいのは、銘柄を選ぶことでも、タイミングを読むことでもなかった。

売らないこと。それだけだった。

ベンチに座って考え事をする男性のシルエット

※この記事は個人の体験に基づく情報提供であり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

この記事をシェア

X はてブ LINE
ミライノート

将来のお金、見える化しませんか?

収入・支出・年金を入力するだけで、将来のキャッシュフロー表を自動作成。無料アプリ「ミライノート」で今すぐシミュレーション。