資産5000万の40代が「サイドFIRE」を計算したら、意外と近かった
サイドFIREに必要な資産額はいくらか、4%ルールで具体計算。完全リタイアじゃなく週3日働くサイドFIREを、資産5000万・共働き・子育て中の46歳会社員が試算した結果。バリスタFIREとの違い、40代スタートの現実的な道筋まで体験ベースで解説
週5日、8時間、プラス残業。
この生活をあと何年続けるのか。40代に入ってから、ふとした瞬間に考えるようになりました。月曜の朝、アラームを止めた瞬間。金曜の夜、「やっと2日だけ自由だ」と思う瞬間。
仕事が嫌いなわけじゃありません。IT営業を15年以上やってきて、それなりにやりがいもある。でも、週5日拘束される生活と、週3日だけ働く生活では、見える景色がまったく違うはずです。
「FIRE」という言葉を知ったのは5年くらい前。たしかコロナが落ち着いた頃だったと思います。最初は「そんなの一部の高収入エンジニアの話でしょ」と流していました。でも資産が5,000万を超えたあたりから、「行けるんじゃね?」と漠然と考えるようになった。
で、今回ちゃんと計算してみました。完全リタイアじゃなくて、「週3日くらい働きながら自由に暮らす」スタイル。サイドFIREと呼ばれているやつです。
結果は、思ったより近かった。

FIREにも4種類ある。全部辞めるだけがFIREじゃない
FIREって「Financial Independence, Retire Early」の略ですが、実は一枚岩じゃありません。
| 種類 | 内容 | 必要資産の目安 |
|---|---|---|
| フルFIRE | 完全リタイア。労働収入ゼロ | 年支出の25倍(1億円〜) |
| サイドFIRE(海外ではバリスタFIRE) | 週2〜3日の軽い仕事+資産所得 | 年支出の12〜15倍 |
| CoastFIRE | 追加投資不要。今の資産を放置すれば老後は安泰 | 人による |
| LeanFIRE | 超節約で完全リタイア | 年支出の25倍(支出を極限まで削る) |
海外ではバリスタFIRE(スタバのバリスタが由来)と呼ばれていますが、日本ではサイドFIREのほうが馴染みがあります。「カフェでバイトしながら自由に暮らす」イメージ。実際にはカフェじゃなくても、週3日の契約社員でも、フリーランスでも、何でもいい。
ポイントは「完全に辞めなくていい」ということ。
フルFIREに必要な1億円。正直、気が遠くなる。でもサイドFIREなら必要額がグッと下がる。これが40代の子育て世帯にとって、唯一現実的な選択肢だと思っています。
自分の現在地を全部出す
計算の前に、自分の家計を整理します。隠してもしょうがないので全部出します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 世帯手取り | 月60万円(夫:妻=6:4) |
| 総資産 | 5,000万円超 |
| 含み益 | 約2,000万円 |
| 月の投資額 | 37万円 |
| 月の支出 | 約44.5万円 |
支出の内訳で大きいのは、食費20万、住宅ローン8.5万、教育費6万、保険6万、管理費+駐車場4万。
子育て中のFIREで厳しいのは、この固定費がびくともしないこと。教育費6万+ローン8.5万+管理費4万=月18.5万。会社を辞めてもこれは変わりません。ここだけで年間222万円。これをまず頭に入れておく必要があります。
あと食費20万。「高すぎるだろ」と思った方、以前の記事に書きましたが共働き3人家族で外食と惣菜に頼ると、このくらいは普通にいきます。ここは多少は削れるけど、劇的には減らない。
バイト週3日だと、あと4〜5年
まず「週3日バイト」で計算してみます。カフェのバリスタ的なイメージ。
都内のバイト時給を1,200円として、週3日×8時間×月4週=月11.5万円。年収にすると約140万円。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月の支出(食費少し減らして) | 約40万円 |
| バイト収入 | 11.5万円 |
| 不足分 | 月28.5万円 |
不足分の年額は約342万円。これを資産の取り崩しと運用益で賄う。
ここで登場するのが4%ルール。「資産の4%を毎年取り崩しても、株式の平均リターンが上回るから30年は持つ」というアメリカ発の理論です。逆算すると、342万÷4%=約8,550万円が必要な資産額。
今の資産5,000万から8,550万に届くには、月37万投資を続けて年平均7%リターンなら、あと4〜5年。2030年頃。
正直、思ったよりも遠い。
40代の4〜5年って、めちゃくちゃ長い。娘は中学生になってる。自分は50目前。「あと4年頑張れ」と言われても、その4年が今まさにキツいわけで。

年収300万の契約社員なら、もう届いている
ここで発想を変えます。
スタバのバリスタじゃなくて、IT営業の経験を活かした契約社員や業務委託ならどうか。年収300万(月25万)くらいは十分あり得る。週4日勤務のポジションも、探せばあるかもしれない。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月の支出 | 約40万円 |
| 契約社員収入 | 25万円 |
| 不足分 | 月15万円 |
年間不足額180万円÷4%=約4,500万円。
今の資産5,000万で、もう超えている。
この計算結果が画面に出た瞬間、ちょっと目を疑いました。え、もう届いてる?
8年間コツコツ積立をしてきて、「いつかFIREできたらいいな」くらいに思っていた。まさか年収300万の仕事に切り替えるだけで成立するとは思っていなかった。
ただし、罠がある。
4%ルールを日本でそのまま使うのは危ない
4%ルールはアメリカの株式市場データに基づいた理論です。日本でそのまま適用すると、痛い目に遭う可能性がある。
まず為替。自分のポートフォリオはオルカン・S&P500・FANG+の3本で、全部外貨建て。今は円安159円で含み益2,000万ですが、140円台に戻ったらその一部が消える。為替が10%動くだけで、500万くらい吹き飛ぶ計算。
次に社会保険料。会社員なら健康保険料は会社と折半。でも契約社員やフリーランスで年収300万だと、国民健康保険+国民年金で年間50〜60万くらいかかる。これ、会社員時代は気にもしなかった金額です。
そして教育費の増加。今は娘が8歳で月6万。でも中学から塾が始まり、高校、大学と進めば跳ね上がる。私立大学なら4年間で1,000万超。これは4%ルールのどこにも織り込まれていません。
だから、4,500万で「ギリギリ成立」は怖い。6,000〜7,000万まで積み上げてからの方が安全。今のペースならあと2〜3年。これならまだ現実的な距離です。
数字は揃った。妻のOKも出た。なのに動けない
ここまで計算して、射程圏内にいることはわかった。奥さんにも聞いてみたら、「今の生活が維持できるなら好きにしていいよ」と言ってくれた。
なのに動けない。
理由は恥ずかしいくらいシンプルです。今の会社で「週3日勤務」や「契約社員への切り替え」ができるのかどうか、知らない。そもそも、週3〜4日で年収300万もらえる契約社員ポジションが世の中に存在するのかも、正直わかっていない。
数字は揃っている。妻の理解もある。でも「具体的にどう動けばいいか」がわからないから、毎日同じように出社している。
週5出社してる自分が、カフェでMacbook開いてるビジョンを想像してみた。案外似合わないかもしれない。でも、やりたいのは確か。

足りないのはお金じゃない。設計図だった
計算してわかったのは、フルFIREには1億円必要だけど、サイドFIREなら4,500〜7,000万で成立するということ。
40代・共働き・子育て中でも、資産5,000万あれば射程圏内に入っている。「完全に辞める」じゃなくて「働き方を変える」なら、ハードルは思ったよりも低い。
でも、足りないのはお金じゃなかった。設計図。
会社でどう交渉するか。契約社員の求人をどう探すか。社会保険はどうなるか。税金は? iDeCoの扱いは? 住宅ローンの審査に影響しないか?
この辺のステップが見えない限り、「理論上は可能だけど動けない」状態が続く。同じ場所で足踏みしている人、たぶん多い。
次にやることは決まっています。会社の就業規則を読み直すこと。人事に聞くのはまだ早いかもしれない。でも、自分が知らないだけで、時短勤務や週4日の制度がある可能性だってある。なかったらなかったで、外の選択肢を調べ始めればいい。
「いつ辞めるか」じゃなくて、「いつ働き方を変えるか」。この問いに変わっただけで、ずいぶん気持ちが楽になりました。
あなたも、一回自分の数字で計算してみてください。計算するだけで、選択肢が急に増える感覚があります。
この後、実際に3年半後の50歳で実行する具体的な計画書を書きました。試算ができたなら、次は計画を詰める番です。
サイドFIREを計算した正直な気持ちはNoteに書きました。数字では見えない、踏み出せない側の本音です。
※この記事は個人の体験と試算に基づくものであり、投資・キャリアの助言ではありません。FIREの判断は各自の状況に合わせてご検討ください。
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